黒柴の徹子

夫婦二人とおっとり黒柴犬徹子。初めての飼う柴犬の飼育日記。

1年85日目 徹子の綿の国星的世界。


今日も甘えんぼです。

本日は朝も夜も小雨の中散歩でした。
雨の日の草の匂い、雨の日の道路の匂い、雨の日の塀の匂いをいっぱい嗅いだ徹子です。

ご飯まだかな?

ちょこんと置いた前足がいいね。




最近の徹子を見ていて、なんとなく思ったこと。
大島弓子さんの「綿の国星」って想像で描かれただけじゃないんだなーって。
綿の国星 漫画文庫 全4巻 完結セット (白泉社文庫)

綿の国星(わたのくにほし)」は女性向け漫画の名作として非常に名高い。
大島弓子作品の全てが詰まっているのは「バナナブレッドのプディング」だと思いますが、「綿の国星」も本当に素晴らしい作品です。

大島さんの絵は美しくて可愛くて綺麗だし、モノローグがリリカルなので王道少女漫画と誤解されやすい。

ですが、綺麗事じゃない現実と向き合うシーンが必ず挿入されます。
読んでいるとスリリングで胸がえぐられるような気がして来るのです。
ガーリーと残酷が同居している大島作品は少女漫画界でも別格だと思います。
その辺がよくわかるのは「ダリアの帯」とか「金髪の草原」とかかな。
ダリアの帯 (白泉社文庫)

金髪の草原


そんな大島さんが書いた、猫作品。
これが、猫に限らず動物が感じている世界をよく表しているような気がしてなりません。

チビ猫ちゃんは自分はいつか人間になると信じているので、彼女の姿は擬人化されていて猫耳のついた少女です。

ああかわいい。

そんな彼女が成長して行く姿が愛らしく切ないのですが、チビ猫が感じている外の世界のモノローグがとてもいい。

徹子も雨の滴る葉っぱの匂いを熱心に嗅ぎますし、水分を含んだ土はいつもと違う感じで熱心に嗅いでいる。
風に目を細め、道路に落ちる影に驚き、飲み水の水滴に興味津々です。
いつもニコニコしているわけではなく、何かを考えているようで何も考えていないようで…な表情もたくさんします。
最近わたしは徹子といると徹子にも感受性があり、何かを感じ取っているんだろうなと思うことが多いのです。

こんな風に言語化できるまで噛み砕いて理解しているとは思いませんが、もう少し拙いながらも感動や喜び、哀しみを持っているのではないかと。



これは、かわいいエピソードとして想像で描いたと言うより、動物をちゃんとみているから描けたシーンだと思うんですよね。
大島さんもサバという猫ちゃんを飼ってましたし。
今は「グーグーだって猫である」に出てくる保護猫ちゃんたちと暮らしています。


わたしが動物を飼う前に読んだ頃は、なんて質のいいファンタジーだと感動したのものです。
でも実はかなり観察されたリアリティを持ったものだったというのは面白い。
動物の漫画はたくさんありますが、こんなに動物の情緒を描いた作品は読んだことがありません。


そんなことに気がついた昨今、「綿の国星」を読み直しています。
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